VBAでPython(pyファイル)を実行する方法2|値を双方向で受け渡し合うには

以前VBAでPython(pyファイル)を実行する方法でコマンドプロントを用いてVBAからPythonコードを実行する方法を紹介しました。

ただ、この方法はpyファイルを実行しているだけで、その結果をVBAに返すことはできません。
やはりVBAで実行したからには最終的にVBAに値を返し、VBA内でプログラムを終了させたいです。

また、以前の方法ではPythonに渡す引数をVBAとPythonの両コードで指定する必要がありました。
つまり引数として10個の値を渡したい場合は、VBAで受け渡し用のコードを10個分、Pythonで受け取り用のコードを10個分書く必要がありました。これは非常に面倒ですし、引数の数が変わった場合も毎回VBAとPythonの両コードを書き直さないといけないため、もう少し使い勝手の良いものにしたいです。

そこで、今回は中間ファイルとしてテキストファイルを作成し、VBAとPythonの値を双方向で受け渡し合う方法を紹介していきます。この方法を使うことで引数の数は関係なくVBAからPython、PythonからVBAのようにどちら側からでも値を受け渡すことが可能になります。

簡単に言えばPythonコードをVBAの関数のように扱うことができるというわけです

 icon-warning 注意  

本ページは前回VBAでPython(pyファイル)を実行する方法の続きの内容です。
前回のページの内容を理解している前提の内容になっているので、まだ前回のページを読んでいない方は先にそちらから読んでいただくことをオススメします。

 

中間ファイルの作成

基本的にどのプログラミング言語でもテキストファイルを作成したり、書き込みや読み取りなどの操作はできます。そこで、どの言語からでもアクセス可能なテキストファイルを”中間ファイル”として作成し、VBAとPython間での値の受け渡しに利用します

ここでは、VBAとPythonそれぞれのコードでのテキストファイルの作成、書き込み、読み取りの方法を簡単に解説していきます。(より詳しく知りたい方は「VBA テキストファイル」「Python テキストファイル」等で検索してみてください)

VBAとPythonのサンプルコードはページ最後に載せているので、テキストファイルの操作説明が不要の方は目次より「サンプルコード」の項へ移動してください

 

VBAでのテキストファイルの操作

VBAでファイルの取り扱いを行う際には「FileSystemObjectオブジェクト」が必要です。
まずは以下のように書いてオブジェクトの定義をしておきます。

 icon-code FileSystemObjectオブジェクトの定義 

Dim fso As FileSystemObject
Set fso = CreateObject(“Scripting.FileSystemObject”)

上記コードにより変数「fso」を使ってテキストファイルの操作を行うことが可能になります。

 
テキストファイルの作成

テキストファイルを作成するには「FileSystemObjectオブジェクト」の「CreateTextFileメソッド」を使って以下のように書きます。

 icon-code CreateTextFileメソッド  

fso.CreateTextFile (フルパス)

フルパスには作成するテキストファイルのフルパスを入力します。
例えばデスクトップ上の「VBA」というフォルダ内に「tmpvalue.txt」というテキストファイルを作成する場合、フルパスには「”C:\Users\ユーザー名\Desktop\VBA\tmpvalue.txt”」という文字列を入力します。

このとき、同フォルダに同名ファイルの存在を確認するには同オブジェクトの「FileExistsメソッド」を使います。同名のファイルが存在する場合に、新規テキストファイルを作成しないようにするには以下のような条件文を追加します。

 icon-code FileExistsメソッド  

If Not fso.FileExists(フルパス) Then

  fso.CreateTextFile (フルパス)

End If

 

テキストファイルに書き込み

テキストファイルに値を書き込むには、手動での書き込みと同じような考えで、
① テキストファイルを開く
② 開いたテキストファイルに値を書き込み
③ テキストファイルを閉じる
といった処理の流れになります。(手動とは違いファイルを開いた時に画面には表示されません)

テキストへの書き込みはほとんど定型文で、以下のように書きます。

 icon-code テキストファイルに書き込み 

Dim FileNo As Integer
FileNo = FreeFile
Open フルパス For Output As #FileNo ‘①の処理
Print #FileNo, “書き込む値”      ‘②の処理
Close #FileNo                                    ‘③の処理

 

テキストファイルの読み取り

テキストファイルの値を読み取るには、書き込みと同じくテキストファイルを開く必要があります。
このとき「Line Inputステートメント」を使うことで、テキストファイルに書かれている値を1行ごとに取得することができます。

読み取りもほぼ定型文で以下のように書きます。
(以下コードの場合、イミディエイトウィンドウに1行ずつ文字列が書き出されます)

 icon-code テキストファイルの読み取り 

Dim FileNo As Integer
FileNo = FreeFile

Dim data
Open フルパス For Input As #FileNo
Do Until EOF(1)
   Line Input #FileNo, data
   Debug.Print data ‘data(1行毎の文字列)を使った処理
Loop

Close #FileNo

「Line Inputステートメント」は「i」などのカウント変数を使う必要がなく、ループ毎に取得する行が更新されていくので注意が必要です。

 

Pythonでのテキストファイルの操作

Pythonでのテキストファイルの操作は非常にシンプルで、VBAのように特定のオブジェクトを定義する必要はありません。また、今回の内容ではPythonでテキストファイルを作成することはないので、この項では「書き込み」と「読み込み」の方法だけ簡単に説明していきます。

 
テキストファイルの読み取り

Pythonでテキストファイルに値を読み取るには以下のように書きます。
フルパスには値を読み取るテキストファイルのフルパスを入力します。

icon-code テキストファイルに読み取り 

f = open(フルパス)
Datas = f.readlines()    #テキストファイルの値をdatasに格納
f.close

「f.read()」でも値を取得することはできますが、今回は1行ずつの値を取得したいので「f.readlines()」を使います。上記コードによりテキストファイルの値を1行ずつDatasというリスト(配列)に格納します。
 

テキストファイルに書き込み

Pythonでテキストファイルに値を書き込むには以下のように書きます。
フルパスには値を書き込むテキストファイルのフルパスを入力します。

icon-code テキストファイルに書き込み 

f = open(フルパス, “w”)
for Data in Datas:
    f.write(Data)    #Dataをテキストファイルに上書き
f.close()

上記コードの場合、Datasというリストに入っている値が1つずつテキストに書き出されていきます。

 

サンプルコード

最後にこれまでの内容をまとめたサンプルコードを紹介します。
処理の流れは以下のとおりです。

⓪ VBA実行
① tmpファイル作成(pyファイルと同じフォルダ内)
② tmpファイルにVBA内の値を書き込み
③ tmpファイルのフルパスを引数にpyファイルを実行
④ pyファイル実行
⑤ tmpファイルのフルパスを表示(確認用)
⑥ tmpファイルの値を1行毎に読み取り
⑦ tmpファイルの値に「 Python処理済み」という文字列を追加        
⑧「Python処理完了」というメッセージを表示(確認用)
⑨ tmpファイルの値を1行毎に読み取り
⑩ イミディエイトウィンドウに値を表示
 
※ 青文字 = Python処理

 
VBAでは「コード内で指定した値をPythonに送り、Pythonの結果を受け取ってイミディエイトウィンドウに表示する」という処理、Pythonでは「VBAから受け取った値に「 Python処理済み」という文字列を追加する」という処理を行います。
(例えばVBAで「ABC」という文字列を指定して実行すると、「ABC Python処理済み」という文字列がミディエイトウィンドウに表示される)

今回はサンプルコードということでVBAコード内でPythonに送る値を指定していますが、コードの内容さえ理解できればセルの値を取得して送ることも可能になります。

 

pyファイル準備

まずpyファイル(Pythonのコード)を作成します。
VBAから実行された際に、Python内でエラーが発生すると特に何も表示されずにpyファイルの処理が中断されます。そのため、Pythonでエラーが出ていないことを確認するためにpyファイルの実行時と終了時にメッセージを表示するようにしています。
コードの内容が理解できたらメッセージ表示の処理は削除しても問題ありません。

 

VBAコード作成

コマンドプロンプトを使ってpyファイルを実行するという処理をVBAで書いていきます。
以前のサンプルコードではコマンドプロンプトの実行として「Execメソッド」を使っていましたが、今回は「Runメソッド」を使用します。これはコマンドプロンプトの処理が終わるまでVBAの処理を待つという機能を利用するためです。(引数 Trueの部分)

モジュールを1つ作成し以下のコードをコピペして下さい。
※py_pathにはpyファイルの保存場所のパス
 py_nameにはpyファイルのファイル名
 tmp_nameには中間ファイルのファイル名をそれぞれ入力して下さい。

※コード内にある「'”」はブラウザ表示の際に色がおかしくなるのを防ぐためのものです。
 コード自体には全くの無関係なので気になる方は削除してください。

最終的にPythonから受け取った値は「PyDatas」という配列に全て格納されます。
本コードでは取得確認としてイミディエイトウィンドウに表示という処理で終わらせています。

また、pyファイルによって上書きされたテキストファイルは確認用として残しています。
コード実行毎に削除したい場合は「’Kill tmp_file」のコメント化を解除してください。

 

まとめ

今回は「VBAでPythonを実行し、双方向で値を渡し合う方法」を紹介しました。
今回の内容をまとめると以下のとおりです。

VBAとPythonで値をやり取りするには中間ファイルを利用する
VBAでファイルを操作するには『FileSystemObjectオブジェクト』を使う

サンプルコードでは1つのテキストファイルだけでやりとりしていましたが、ファイル数を増やせば値を保管することもできますし、できることの幅も大きく広がります。

また、冒頭でも言っていた通り、テキストファイルにアクセスできるプログラミング言語は数多くあります。つまりコマンドプロンプトと中間ファイルをうまく使うことでVBAと様々な他言語を連携させることも可能になります。

VBA、Python以外に言語を扱える方は是非そちらにもチャレンジしてみて下さい。

Python, VBA

Posted by Lic