ドキュメントとは|0から学ぶCATIA V5
今回から『ドキュメント』について解説していきます。
これから数回に分けてドキュメントの操作方法について解説していくため、今回は「ドキュメントとは何なのか」をしっかりと学んでいきましょう。
このページでは以下の内容が学べます。
ドキュメントとは
ドキュメントタイプについて
ドキュメントとは
ドキュメントとはCATIAのデータを保管するファイルのことをいいます。
ドキュメントというと文書に使われる言葉のイメージがありますが、そこはあまり深く考えずに「CATIAで作成するファイル=ドキュメント」と思ってもらえれば大丈夫です。
CATIAのドキュメントはいくつかの種類があり、ドキュメントの種類によってファイルのアイコンが違ってきます。そのためアイコンを見ればそのファイルがどの種類のドキュメントなのかが一目でわかるようになっています。
これらドキュメントの種類のことを『ドキュメントタイプ』といいます。
ドキュメントタイプ
前述のとおりCATIAにはいくつのドキュメントの種類がありますが、それらドキュメントタイプは扱うデータの内容によって分類されています。
たとえば「部品作成用のドキュメント」や「図面作成用のドキュメント」「解析用のドキュメント」というように、CATIAの機能ごとに別々のドキュメントタイプが用意されています。
各ドキュメントタイプでは管理しているデータの情報が違うため、画面の構成や操作できることも少しずつ違ってきます。
以下では主に使われる3つのドキュメントタイプを紹介していきます。
パーツドキュメント(CATPart)
CATPartは部品(パーツ)の形状情報を管理するドキュメントです。
基本的に3D形状の作成はすべてこのCATPart内で行います。
CATIAを使ううえで1番使用頻度の高いドキュメントの1つです。
このドキュメントタイプで保存したファイルの拡張子は『.CATPart』となります。
プロダクトドキュメント(CATProduct)
CATProductは部品の構成や位置情報を管理するドキュメントです。
CATPartで作成した部品を組み立てたり、組み立て時に部品同士がぶつかっていないかの確認など、いくつもの部品を集約してそれぞれの関係性を確かめることができます。
このドキュメントタイプで保存したファイルの拡張子は『.CATProduct』となります。
ドローイングドキュメント(CATDrawing)
CATDrawingは図面情報を管理するドキュメントです。
CATPartやCATProductで作成した部品を投影して図面を作成することができます。
投影したビュー以外にも寸法や注記、図枠などの図面データを作成することができます。
このドキュメントタイプで保存したファイルの拡張子は『.CATDrawing』となります。
ワークベンチとドキュメント
ドキュメントタイプはCATIAの機能ごと、つまりはワークベンチごとに分かれてます。
基本のワークベンチはそれぞれ以下のドキュメントタイプとなっています。
ワークベンチ名 | ドキュメントタイプ |
スケッチャー | パーツドキュメント(CATPart) |
パート・デザイン | パーツドキュメント(CATPart) |
ジェネレーティブ・シェイプ・デザイン | パーツドキュメント(CATPart) |
アセンブリー・デザイン | プロダクトドキュメント(CATProduct) |
ドラフティング | ドローイングドキュメント(CATDrawing) |
パート・デザインとジェネレーティブ・シェイプ・デザインは扱う形状が「ソリッド」なのか「サーフェス」なのかが違うだけで、どちらも”3D形状を作るワークベンチ”なので同じドキュメントタイプとなります。(スケッチャーも同様)
これと同じような考えでワークベンチは違えど、同じドキュメントタイプというものも多いです。
CATIAのドキュメントには上記のほかにCATAnalysisやCATMaterial、Catalogなどがあります。
詳しい解説は省きますがそれぞれ『部品の解析情報の管理』『マテリアル(材料)の管理』『標準部品(ボルト、ナットなど)の管理』のドキュメントとなっています。
これらは部門や部署によっては全くさわることの無い場合もあるドキュメントタイプなのでいまはまだ覚える必要はありませんが、ドキュメントタイプは上記の3つだけではないということは知っておいた方がいいでしょう。
まとめ
今回の内容をまとめると以下の通りです。
ドキュメント=CATIAで作成したファイル
主要ドキュメントタイプは『CATPart』『CATProduct』『CATDrawaing』の3種類
CATPart=部品の作成/CATProduct=部品の組み立て/CATDrawaing=図面の作成
ドキュメントの作成方法や操作方法は次回から解説していきます。
『ワークベンチ』と同じくらい重要な内容なので、今回の内容はしっかりと理解しておきましょう。
【次回】ドキュメントの新規作成
【前回】ワークベンチの切り替え
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