AutoCAD AI Agent|自然言語で図面を観測・操作するAIエージェント
AutoCAD AI Agentとは
AutoCAD AI Agentは、自然言語の指示からAutoCAD図面を観測・操作するAIエージェントです。
C# / .NET 8で開発したAutoCAD用アドインで、現時点ではAutoCAD 2025に対応しています。
・レイヤー0の中のすべてのテキストを新規レイヤーを作って全部そっちに移動して
・テキストの英語を日本語に修正して
・図枠作成したいから登録済みのAutoLISPの中から対象のものを呼び出して
こうした指示に対して、AIが必要な図面情報を収集して作業手順を考えて実行します。
Gemini、Claude、GPTに対応しており、Ollamaを通してGemmaやQwenなどのローカルLLMも利用可能です。利用者自身がAPIキーを設定するBYOK (Bring Your Own Key) 方式を採用しているため、使用するAIモデルやAPI利用料金はユーザー自身で管理できます。
現在、無料β版の公開に向けて開発とテストを進めています。
公開情報や対応環境、ダウンロード方法は本ページおよびXにて順次更新します。
AutoCAD AI Agentでできること
AutoCAD AI Agentは、図面の検索や編集だけでなく、複数の操作を組み合わせた作業や既存AutoLISPの活用まで、さまざまなCAD業務を自然言語で支援します。下記の内容は一例で、プロンプトに応じて必要な図面情報や作業手順を判断しながら処理を行います。
このほかの開発デモはYouTubeやX(@0xL1C10G)で公開しています。
図面を理解する
図面内の要素や文字情報を読み取り、内容を整理して回答できます。
単純な件数確認だけでなく、文字列の意味や周辺情報から条件に合う対象を調べることも可能です。
このほかにも、次のような図面情報の確認や調査に利用できます。
・ブロック、文字、属性値の検索や集計
・条件に合う要素の抽出と一覧化
・部品番号やバルーン番号の重複、欠番確認
・文字の意味から人名や部品名と思われる情報を判別
図面を編集する
自然言語の指示から、図面内の文字・ブロック・レイヤーなどを編集できます。対象となる要素や条件をAIが判断し、必要な箇所へまとめて変更を加えます。
このほかにも、次のような図面編集に利用できます。
・図面内の英語表記を日本語へ変換
・レイヤーの作成や名称変更
・レイヤーの色、線種、表示状態の変更
・条件に合う図形や文字の移動、整理
・ブロック内の要素や属性情報の編集
複数工程をまとめて実行
一つひとつの操作を個別に指示する必要はありません。AIが一つの自然言語による指示を解釈し、実現に必要な作業を複数の工程へ分けてまとめて実行します。
たとえば「図面要素を用途ごとにレイヤー分けして」と指示するだけで、対象の調査や分類、レイヤーの作成、各要素の移動、実行結果の報告までを一連の処理として行えます。
このほかにも、次のように複数の操作を組み合わせた作業へ利用できます。
・図面情報を確認して、内容ごとに分類
・複数のレイヤーを作成して、要素を振り分け
・対象の文字を抽出して、一括修正後に結果を一覧表示
・検索、編集、ハイライト、件数報告をまとめて実行
・ブロックの配置情報をExcelに出力
必要に応じてAutoLISPを生成する
アプリケーションにあらかじめ実装されていない操作や、My Lispへ登録されていない作業については、AIが指示内容に応じたAutoLISPをその場で生成します。生成されたLISPはすぐに自動実行されるのではなく、危険な可能性のある処理や実行上の問題がないかを事前に検査し、コードをUI上へ表示します。ユーザーが内容を確認して承認した場合のみ、AutoCAD上で実行されます。
定義済みの機能では対応できない場合でも、AutoLISPで扱える範囲で次のような作業を補完できます。
・複数の条件に一致する図面要素を検索して一括変更
・座標、長さ、面積などを計算し、文字や表として図面へ出力
・図枠、グリッド、連番、注記などの定型要素を作成
・複数のAutoCAD操作を組み合わせた独自処理を実行
AutoLISPの品質は、使用するAIモデルの性能や入力する指示、作業内容の複雑さに依存します。
モデルによっては正しいコードを生成できない場合や、意図した結果にならない場合があります。
AutoLISPを活用する(My Lisp)
登録済みのAutoLISPをAIが候補として提案し、UIから直接実行が可能です。
実績のある既存資産を活用しながら、自然言語による操作と組み合わせて利用できます。LISPコードはLLMへ送信されないため、機密情報や業務ノウハウを含むLISPも安心して活用できます。
My LispはLISPファイルをドロップして必要情報を入力するだけで簡単に登録可能です。
ダウンロード
AutoCAD AI Agentは無料β版として公開を予定しています。
利用者自身がAPIキーを設定するBYOK方式のためAPIキーの管理はユーザー自身での管理が可能です。
現在、公開に向けて開発と検証を進めています。
公開時期、配布方法、対応環境などの詳細は未定ですが遅くとも2026年内には公開予定です。
内容が決まり次第、本ページおよび公式Xでお知らせします。
現時点ではダウンロードできません。
開発状況により、公開時期や提供内容が変更になる場合があります。
β版の対応範囲と制限
現在開発中のβ版は、AutoCADのモデル空間における図面の観測・検索・編集を中心としています。
| 項目 | 現在の対応状況 |
|---|---|
| モデル空間 | 対応 |
| レイアウト空間 | 現時点では未対応 |
| AIモデル | 利用するモデルによって回答精度や処理結果が異なります |
| 図面形式 | AutoCAD上で開いている図面を対象に動作します |
| 対応バージョン | β版公開時に掲載します |
| AutoCAD製品 | AutoCAD 2025の標準機能を対象に開発・検証しています |
| 業種別ツールセット | AutoCAD Architecture / Mechanical などの固有機能・固有オブジェクトは、現時点では動作確認および対応を行っていません |
すべての図面や指示に対して正しい結果を保証するものではありません。重要な図面で利用する場合は、事前にバックアップを作成し、実行後の結果を必ず確認してください。
また、現在のβ版は、通常のAutoCAD 2025を使用して開発しています。
AutoCAD Architecture / Mechanical などでも基本的なAutoCAD機能が動作する可能性はありますが、各ツールセット固有のコマンドやオブジェクトを認識・操作する機能は実装していません。
AIに任せすぎない設計
AutoCAD AI Agentは、CADとAIを組み合わせて何ができるかを広く試すだけではなく、実際のCAD業務へどこまで入り込めるかを重視して研究・開発しています。
本ツールは現在も研究・検証段階にあり、すべてのAutoCAD操作や図面形式へ対応しているわけではありません。図面の構成や使用するAIモデル、入力する指示によっては、期待した結果にならない場合があります。
MCPを介して外部のAIアプリケーションから多数のCAD操作ツールを呼び出す構成や、AIが毎回新しいコードを生成して操作する方式と比べると、本ツールはあらかじめ定義した機能を中心に実行するため、対応できる操作の範囲が限定される場合があります。
その一方で、外部のAIアプリケーション側へ実行制御を委ねず、図面の観測、操作の実行、状態管理、エラー時のロールバック、外部LLMへ送信する情報の制御までを自前実装しています。これにより、CAD業務に合わせて各処理を細かく調整し実務で使える安定性や管理性を重視した構成としています。
AIは意図と作業手順を考える
AIは図面から必要な情報を収集し、ユーザーの指示を実現するための作業手順を組み立てます。
実際のAutoCAD操作は、アプリケーション側に実装された機能を通して実行します。
エラー時は変更をまとめて戻す
複数の操作はUndo単位で管理され、実行中にエラーが発生した場合は、その処理で行った変更をまとめてロールバックする設計です。ロールバックの判断はAIではなく、実行エンジン側が行います。
これによりAIが生成に失敗したゴミとなる要素などを
外部LLMへ送る情報を制限する
エージェントがDWG・DXFファイルやスクリーンショットを自動的に外部LLMへ送信する機能はあえて実装していません。AIへ渡す情報は、図面の観測に必要な文字、属性、レイヤー名などの構造化情報に限定します。(任意でユーザーが指定した画像ファイルを添付することは可能です)
できることの多さよりも、AIへ何を任せ、何をアプリケーション側で管理するかを明確にすることを基本方針としています。これらの設計思想や、CADでAIエージェントを実務利用するための検証内容は、Zennでも公開しています。技術的な背景に興味のある方は、あわせてご覧ください。
図面情報とデータの取り扱いについて
CAD図面には、製品情報、設備情報、顧客情報などの機密情報が含まれる場合があります。
AutoCAD AI Agentでは、DWG・DXFファイルやCAD図面のスクリーンショットを自動的に取得し、外部のLLMへ送信する機能は実装していません。
一方で、AIが図面内容を判断するために、次のような構造化情報がLLMへ送信される場合があります。
・レイヤー名やブロック名
・図形の種類や座標
・検索や観測によって取得した図面情報
・ユーザーが入力した指示や添付した情報
また、My Lispへ登録したAutoLISPのソースコードはLLMへ送信されません。
外部のAIサービスを利用する場合は、各サービスの利用規約、データ利用方針、API設定などをご確認ください。
機密性の高い図面での利用には、Ollamaを通したローカルLLMも選択できます。
対応するAIモデル
AutoCAD AI Agentでは、利用するAIサービスをユーザー自身で選択できます。
| AIサービス | 利用方法 |
|---|---|
| Gemini | Google AI APIのAPIキーを設定して利用 |
| Claude | Anthropic APIのAPIキーを設定して利用 |
| GPT | OpenAI APIのAPIキーを設定して利用 |
| ローカルLLM | Ollamaを通してGemmaやQwenなどをローカルにダウンロード済みのものを利用 |
外部AIを使用する場合のAPI利用料金は、各AIサービスから利用者へ直接請求されます。
AutoCAD AI Agent側でAPI料金を上乗せして請求することはありません。
複数のモデルで動作検証を行っていますが、現在はGemini 2.5 Flashを基本モデルとし、コストと処理速度のバランスを見ながら開発しています。モデルによって精度や得意なタスク、料金は異なります。
モデル別のテスト結果や対応状況は、今後検証ページに掲載します。
主な機能
現在のAutoCAD AI Agentには、主に以下の機能を実装しています。
| 分類 | 主な内容 |
|---|---|
| 図面の観測 | 図面概要、文字、ブロック、レイヤーなどの情報取得 |
| 図面内の検索 | 条件に一致する要素の検索、集計、一覧化 |
| レイヤー操作 | 作成、名称変更、色や線種の変更、表示状態の切り替え |
| 文字・表の編集 | 文字列や属性値の取得・修正、表データの編集 |
| ブロック操作 | ブロック情報の取得、属性編集、挿入、分解など |
| ハイライト | 検索結果や対象要素を図面上で表示 |
| My Lisp | 登録済みAutoLISPの提案とUIからの実行 |
| 生成AutoLISP | 未定義の操作を行うためのAutoLISP生成と確認付き実行 |
| Undo・ロールバック | 操作単位のUndo管理と、実行エラー時の変更取り消し |
上記は現在実装している機能の一部です。
β版公開後のフィードバックや利用状況をもとに、汎用的な機能を順次追加していく予定です。
法人向けカスタマイズ・開発相談
企業ごとの作図ルールや既存資産、業務フローに合わせたCAD×AIエージェントの設計・開発についてご相談いただけます。次のようなカスタマイズや開発を想定しています。
・図枠や表題欄の作成・自動入力
・既存AutoLISPの活用
・図面チェックや納品前確認の自動化
・Excel、データベース、PDMとの連携
・ローカルLLMを利用した社内向け構成
・LLMへ送信する情報の制御
・Azure OpenAIを含む、新しいLLMサービス・プロバイダーへの対応
・AutoCAD Mechanical、Architectureなどの業種別ツールセット固有機能への対応
・AutoCAD以外のCADへの応用検討
・CAD向けAIエージェントのPoC設計・開発・相談等
β版を利用していない場合でも、動画や本ページを見て「自社のCAD業務にも応用できないか」「AutoCAD以外のCADに応用できないか」と感じた段階でご相談いただけます。具体的な仕様が決まっていない場合でも問題ありません。お気軽にご連絡ください。
よくある質問
無料で利用できますか?
β期間中は無料で提供予定です。
正式版の提供形態は、利用状況やフィードバックを踏まえて決定します。
APIキーは必要ですか?
Gemini、Claude、GPTなどの外部AIを利用する場合は、各サービスのAPIキーが必要です。
Ollamaを通してローカルLLMを利用する場合は、外部AIのAPIキーは必要ありません。
API利用料金はどこへ支払いますか?
使用したAIサービスへ利用者が直接支払います。
AutoCAD AI Agentの開発者がAPI料金を代理請求したり、料金を上乗せしたりすることはありません。
図面ファイルは外部AIへ送信されますか?
CAD画面のスクリーンショットを、エージェントが自動的に外部AIへ送信することはありません。
ただし、AIが図面を判断するために、文字、属性、レイヤー名、ブロック名、座標などの情報が送信される場合があります。
登録したAutoLISPコードはLLMへ送信されますか?
My Lispへ登録したAutoLISPのコードはLLMへ送信されません。
AIにはLISPの名称や用途など、候補を選ぶために必要な情報のみを渡します。
レイアウト空間にも対応していますか?
現在のβ版はモデル空間を中心に開発しており、レイアウト空間には対応していません。
AIが間違えた場合は必ず元に戻りますか?
実行エラー時には、その操作で行った変更をまとめてロールバックする(元に戻す)設計です。
ただし、β版であり、あらゆる状況で完全に元へ戻ることを保証するものではありません。
重要な図面ではバックアップを作成してください。
企業向けのカスタマイズは可能ですか?
可能です。社内ルール、既存AutoLISP、図枠、図面チェック、データベース連携など、企業固有のCAD業務に合わせた設計・開発についてご相談いただけます。
更新履歴
| 日付 | 更新内容 |
|---|---|
| 2026/7/14 | 無料β版の公開に向けた配布ページを作成 |
β版公開後は、バージョンごとの追加機能、不具合修正、対応環境の変更などを本ページでお知らせします。






